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1: 2017/08/24(木)13:33:06 ID:b1v
現在高3男
小6〜中2の3年間の話

2: 2017/08/24(木)13:33:25 ID:o2S
おけ

3: 2017/08/24(木)13:38:48 ID:b1v
書き溜めてないから遅かったらすまん

親の仕事の関係で小6になる春に転校した
俺には二つ下の妹がいるんだが、その妹が転校するのが嫌だと酷く泣き喚いたのを今でも覚えている
俺はというと引越しの前日に友達数人から貰ったプレゼントがずっと欲しかったゲームソフトだったからとても喜んでいた
なんだかんだで引越しは終わり、その間俺はずっとゲーム
妹は「〇〇ちゃんに手紙書く!」って言ってお母さんと手紙を書いてた

4: 2017/08/24(木)13:40:10 ID:o2S
ふむふむ

5: 2017/08/24(木)13:41:36 ID:b1v
お父さんは業者の人と荷物を運んだりしてたのが終わってとても疲れている様子だった
そんなときに俺がずっとゲームしてたのが癇に障ったのだろう
「ゲームやめて外いろいろ見てこい」と言ってゲームを取り上げられた
俺はしぶしぶ靴を履いて外に出た

6: 2017/08/24(木)13:43:11 ID:RKe
妹かわいい

7: 2017/08/24(木)13:45:44 ID:b1v
その引っ越した所というのはわりと静かな所で、田舎というより住宅地って感じだった
俺はグローブと軟球を持って駐車場の方へ壁当てをしに行った

うちはマンションだったんだが、その駐車場はマンションの横にある路地を入ってすぐのところにあった
俺がそこに入ろうとしたとき、路地をもう少し進んだ右手に鳥居のようなものがあるのを見つけた

8: 2017/08/24(木)13:46:18 ID:o2S
悪くないじゃん

10: 2017/08/24(木)13:49:01 ID:b1v
近付いてみるとかなり大きな鳥居で、祠?みたいなものもしっかりあった
俺はそれまで住んでいたところが大都会だったというのもあって、正直かなりびびっていた
入ったら呪われるような気がした

すると路地の向こうから男の子数人が走ってきた
サッカーボールを追いかけていた
俺は新しい学校の同級生だと思い、仲良くなるチャンスだと思った

11: 2017/08/24(木)13:50:10 ID:o2S
ほうほう

12: 2017/08/24(木)13:51:58 ID:b1v
話しかけてみるとやっぱり6年生だった
向こうは俺も一緒にサッカーをやろうと誘ってくれた
けれど俺は野球派だった

一人の男の子が「じゃあキャッチボールしよう」と言った
そいつの名前は松原と言った
どうやらこの3人の中でもリーダー格らしかった
俺は松原とキャッチボールをした

13: 2017/08/24(木)13:56:27 ID:b1v
リーダー格っぽかったのは話の中心にいる感じだったからで、決して口調が荒いとかそんなことは全く無かった
むしろ穏やかで優しそうなスポーツマンタイプ
俺は松原とキャッチボールをしながら学校の話を色々と聞いた

どうやらその小学校はクラスが2クラスしかないようだった
松原は2組で、他の二人は1組だった
俺はお母さんから6年2組になることは聞いていたので、松原が同じクラスだと聞いてとてもホッとした
どうやら5年から6年になるときにクラス替えは無く、みんな良い奴とのことだった
ちなみに俺の苗字は松川だった

14: 2017/08/24(木)14:00:17 ID:b1v
しばらくキャッチボールをして、その日は帰った
「次に会うときは学校だな、よろしく」的なことを帰り際に言ってくれた
俺もよろしくと返した

家に帰ると妹が泣いていた
手紙を書いていたら色々と思い出したらしい
俺は松原ってやつに二つ下の妹がいることを妹に言った
きっと仲良くなれると
妹は少し落ち着いたようだった

それから数日後、新学期がはじまった

15: 2017/08/24(木)14:08:35 ID:b1v
新学期が始まって俺には松原の他に山本と吉川という友達が出来た
山本はおもしろいやつで、いつもふざけては周りを笑わせているようなやつだ
吉川は野球をやっていて、背は低いがかなりイケメン
今でも吉川以上のイケメンを俺は見たことがない
学校の帰りはいつもその4人で一緒だった

1ヶ月ぐらい経って、50m走の日が来た
俺はこの日を心待ちにしていた
自慢じゃないが、前の学校で俺はトップだった
野球をやめてからは身体を動かしてなかったが、それでも脚にはかなり自信があった

結果、俺のタイムは7秒8で学年2番目だった
1組の奴がトップだった
俺は少し悔しかったが周りの友達はすげえすげえと言ってくれた
この学校の一員として認められたような気がして、とても嬉しかった

16: 2017/08/24(木)14:11:04 ID:b1v
その日からしばらくはどこにでもあるような小学校6年生の日々が続いた
友達と遊んで、夏休みが来て、また遊んで、宿題を忘れて怒られて・・・

そして二学期が始まったとき、クラスの中に一人見たことがないやつがいた

17: 2017/08/24(木)14:16:21 ID:b1v
そいつは女の子だった
俺は松原に聞いた
「なあなあ、あの人だれ?」
「あーあれは渡辺だよ」
松原は当たり前のように答えた
どうやら転校生ではないようだった
その証拠にみんながそいつと「久しぶり!」ってな感じで絡んでいた

「去年の冬からずっと休んでたんだ」
そう言ってきたのは吉川だった
「ずっと?なんで?」
俺が訪ねると吉川は「自分で話しかけて聞いてみろよ笑」と言って俺を渡辺の方に押した

俺は渡辺と目が合った
その瞬間、渡辺が言い放った

「こいつ、誰?」

19: 2017/08/24(木)14:21:03 ID:b1v
そのとき、俺は一気にこのクラスから切り離されたような気がした
俺は「お前こそ誰だよ?」と少し強めに言った
渡辺は「渡辺美生だよ」と答えた
俺が「松原だよ」と言うと「誰だよ笑」と言われた
なぜだか泣きたくなった

20: 2017/08/24(木)14:26:54 ID:b1v
後から山本に聞くと、渡辺は持病があるとのことだった
喘息のようなものらしいが、時々発作が起こりそれが悪化するとしばらく入院しないといけないらしい
山本は渡辺がどんな奴なのかを交えながら俺に説明してくれた
こいつは本当に人にものを話すのが上手い

始業式が終わったあと、俺と渡辺の親睦を深めると言ってクラスみんなでドロケイをした
ドロケイは楽しかったが、俺は内心ずっともやもやしていた
渡辺はクラスの女子の中心的存在のようだった
俺がまだ話したことない女子と仲良さそうに話したりしてるのを見ると、そこまで悪いやつでもなさそうだった

事件はあておにをしていたときに起こった

21: 2017/08/24(木)14:32:01 ID:b1v
他の地域はどうか知らないが、俺の地元ではボールを当てて鬼ごっこをするのを「当て鬼」と言った

鬼は俺からスタートだった
俺はとりあえずあまりすばしっこくない大山を狙った
見事俺が投げたボールは大山にヒットした
大山が他のやつを追いかける
俺はその間に松原と合流して隠れることになった
「この校庭ほんとでかいな笑」
「隠れる所も多いぜ、ほらあそこの用具入れの裏とか笑」
とかなんとかいいながら用具入れの裏に入った

そこには渡辺と高橋という女の子がいた

22: 2017/08/24(木)14:39:13 ID:b1v
二人を見た瞬間、松原が「あっ」と言った
俺も渡辺を見て「あっ」と言った
渡辺も俺を見て「あっ」と言った
高橋はこっちを見てなかった

渡辺が口を開いた
「松原くん走るの速いんだね!」
俺はびっくりした
どうしてこの子が俺のことを知っているのか
「さっき〜〜ちゃんに聞いたよ、すごいね笑」
俺は「おう、でもたまたまだよ」と言った
俺のテンションは一気に上がった

渡辺は誰が見てもかわいい部類だった
まぁ小学校の中心的な女の子はだいたいかわいい顔をしていると思う
そんな渡辺からすごいねと言われた俺は舞い上がった
だが次の瞬間

「でも私の方が速いや笑」

・・・うそだろ?

23: 2017/08/24(木)14:41:25 ID:tw@cosayu_open
足早いのいいな

24: 2017/08/24(木)14:42:38 ID:tw@cosayu_open
20レス近くのものを三年やるとなるとキツいっすよ

25: 2017/08/24(木)14:47:18 ID:b1v
うそだと思った
けど松原は横で「あーまぁたしかに渡辺も速いよなー」と言っている
高橋は石を積み上げていた

俺は「・・・じゃあ、勝負しようぜ」と言った
これが間違いだった

すぐに当て鬼は中止され、俺と渡辺が走ることになった
職員室にいた担任の先生が旗とストップウォッチを持ってきた
どうやら渡辺はまだ50m走のタイムを測っていなかったらしい
男の勝負を邪魔するなと思ったが、相手は女だ
負けるはずがなかった

結果は負けた
俺のタイムは7秒9、渡辺のタイムは7秒6だった
俺はクラスみんなの前で女子に挑んで返り討ちにあった恥ずかしい男となった

27: 2017/08/24(木)14:53:07 ID:b1v
その日から俺はなにかと渡辺に挑んだ
テストの点数、朝学校に来る時間、給食を食うスピードなどなど
それらは勝ったり負けたりと様々だった
けれど体育の時間では勝てなかった
俺はそれが男として情けなく感じていた
渡辺は決して身体がでかいわけでもなかった
けれど走っては負け、跳んでは負け、泳いでは負け、球技でも渡辺の方が活躍した
といっても女子と男子は球技は別だったから、目立ってる度しかわからなかったのだが

そんななか、吉川と渡辺が付き合いだした

28: 2017/08/24(木)15:02:44 ID:b1v
吉川はイケメンだし運動神経もいい
はっきり言ってお似合いでしかなかった
けれど俺はクラスのみんなが騒いでいる中、素直に喜べなかった
悔しかった、負けたと思った
俺には彼女はいないのに、渡辺には彼氏ができた
普通は吉川に対して男子が思う負の感情を、俺は女子である渡辺に感じていた
俺の中で渡辺は完全にライバルだった

吉川は渡辺と帰るようになった
俺は松原と山本と3人で帰った

ある日、山本の面白い話を聞きながら帰っていた時、山本が突然「あっ」と言った
前の方で吉川と渡辺が手を繋いで歩いているのが見えた

俺は二人を見て「あっ」と言った
松原も二人を見て「あっ」と言った
何か気まずいような気がして、歩くスピードを緩めた
その時、山本がため息混じりに言った

「俺、実は渡辺のこと好きだったんだよねー笑」

29: 2017/08/24(木)15:09:52 ID:b1v
俺と松原は驚いた
山本は空を仰ぎながら「俺は好きな人が幸せならそれで幸せ、でもまさか現場に鉢合わせするとは笑」といつもの調子だった
松原は「まじでー!?」と大声を出した

ちなみに松原は高橋と付き合っていた
当て鬼のときに松原が「あっ」と言ったのも、高橋がこっちを向かなかったのも、どうやらあの時が告白の返事を待っている期間だったかららしい
けど松原と高橋は友達の延長のような付き合い方で、こうやって帰りはそれぞれ同性の友達と帰っていた

そんな松原が山本をいじり倒す中、ある考えが俺の頭に浮かんだ

山本と渡辺くっつけたらおもしろくね?

30: 2017/08/24(木)15:17:05 ID:b1v
未だになぜ俺がそんな考えを抱いたのかわからないが、その日から俺は本気だった
なんだかんだで渡辺と仲が良く、メールのやり取りもしていた俺は毎日のように山本のかっこ良さを説いた

「山本はおもしろくて頭が良くて、あいつの話はいつ聞いても最高だ。それにあいつは歌が上手いしバイオリンも弾ける。俺が女だったら山本のこと好きになるわー笑」
↑こんな感じ

そして次第にクラスの中で、山本が渡辺の事好きらしいという噂(事実)が広がった
何でも山本が渡辺に告白したらしい
返事はノーだった

で、そーなったら何が起こるかというと、喧嘩である
吉川と山本が絶交した

31: 2017/08/24(木)15:19:55 ID:tw@cosayu_open
いや、まだ一回目なのに長いな!?

32: 2017/08/24(木)15:20:57 ID:b1v
これは俺のせいではないかと少し不安になったが、山本が告白した以上避けられないことだったと思う
俺と松原は山本側についた
といっても俺達は吉川に何もしなかった
むしろ今まで通り仲良くやっていた

ある日の夜、俺は家の近くの神社にいた
あの引っ越ししたての時に見た神社である
俺は渡辺から呼び出されていた

33: 2017/08/24(木)15:30:20 ID:b1v
しばらくすると渡辺が来た
「そういえば家近くなんだよね?」といきなり聞いてきた
俺はそうだと答えた
渡辺は「私の家も近くなんだー、おいでよ笑」と言った
ふたりは歩きだした

渡辺の家は路地を少し進んで左に曲がったところだった
渡辺の家の向かいには小さな公園があった
ふたりはそこのベンチに座った
「山本くんが私のこと好きって知ってたでしょ」
俺は驚きと焦りで「ぬぁ?」みたいな声を出した

「あはは笑、焦り過ぎでしょ」
「いや、なんでそう思ったの?」
「だって山本アピール凄かったじゃん笑

「いやあれはホントの事だぜ」
「いやー、さすがにわかるよ笑」

渡辺は笑ってたが、俺は笑えなかった
やはり俺のせいで山本はふられたのだろうか?
そう考えていると渡辺が言った
「私、ふたりには仲直りしてほしいんだ」

34: 2017/08/24(木)15:31:18 ID:tw@cosayu_open
いい話だけど振られてはまだいない

35: 2017/08/24(木)15:32:39 ID:b1v
「あのふたり、松原が来るずっと前から」

37: 2017/08/24(木)15:35:56 ID:b1v
>>35
ミス笑

「あのふたり、松原が来るずっと前から仲良かったんだー」

俺が来るずっと前という言葉が、俺の心に刺さった
まるで後から来た俺のせいだと言われているような
まるで俺がふたりの関係を壊したと言われているような
しかしそれはやはりそうなのかもしれなかった

38: 2017/08/24(木)15:36:50 ID:b1v
>>37
またミス笑
松原じゃなくて松川

36: 2017/08/24(木)15:35:34 ID:Yow
1年1回なら多くもないんじゃね?
俺は立て続けに3回くらいふられた事あるわ
そんな俺でも1年以上彼女居なかったことないぞ
要は数打て

39: 2017/08/24(木)15:41:58 ID:b1v
「あのふたりって全然タイプ違うのにね笑」
「でも妙に息がぴったりでね――」
「松川が言うように山本くんはほんとに面白いんだ、こないだも――」
「特に松川が来てからはほんとに4人とも楽しそうだった」
だった、と、渡辺は過去形で言った
俺はその話をただ黙って聞いていた

40: 2017/08/24(木)15:54:25 ID:b1v
急に渡辺が立ち上がった
「私みんなにまた今まで通りになってほしい。だから吉川とは別れる」
俺は渡辺が何を言っているのかわからなかった
「は?なんでだよ!あんなに仲良くしてたじゃんか!」
「だって私が吉川と付き合ってたらずっとこのままだよ」
「だからって・・・」
だからってなんで別れなければいけないんだ
それはあまりにも山本が可哀想だと思った
山本は吉川と渡辺が幸せならそれで幸せだと言ったんだ
あの告白はきっと付き合いたかったんじゃない
自分が渡辺を思っていることをただ伝えたかったんだ

吉川だって、山本が渡辺に告白したと聞いて腹が立ったのだろう
だから絶交なんて言い出したのかもしれない
けど、それはきっと友達と喧嘩になってしまうくらい渡辺のことが好きだったからだ

それをただ別れるだけで元に戻したって、それは元通りには絶対にならないと俺は思った

41: 2017/08/24(木)15:59:17 ID:b1v
「そんなことしたって何も解決しねぇよ!」
「じゃあどうすればいいの!?」
渡辺は泣いていた
俺はそのとき気付いた
渡辺も罪悪感を感じているんだ
俺が俺のせいでふたりの関係が壊れてしまったと思っているように、渡辺も自分のせいだと思っているんだ
きっと吉川と一緒に帰っている時も、山本と教室ですれ違う時も、今こうやって俺と話している時も
辛い思いを一人で抱えていたんだ

俺は言った
「俺がなんとかするよ」

42: 2017/08/24(木)16:10:11 ID:b1v
渡辺は泣きながら顔を上げてこっちを向いた
暗くて見えなかったけど、渡辺の涙が俺の手の甲にポツリと落ちた
「・・・どうするの?」
「みんなで話をする」
春に4人で帰ってたときみたいに、またみんなで話をすれば
きっと吉川も山本の話でまた笑って
それで山本も調子に乗って
松原が山本にツッコミを入れて
それで元通りだ

「でも、どうして?」と渡辺は言った
「そりゃあ俺だってまたみんなと仲良くしたいからさ、ってかお前そもそも俺に相談しようとしてたんだろ?」
すると渡辺は「うん笑」と言って泣きながら笑った
「じゃあ俺がどうにかするしかねーじゃねーか笑」

渡辺はありがとうと言ったと思う
正直、聞こえなかった
俺は渡辺に言ったんだ

「それに俺もお前のこと好きだからさ」

43: 2017/08/24(木)16:15:50 ID:b1v
渡辺は少し驚いていた
俺も驚いていた
え?いやまぁたしかに・・・ね?そりゃ仲は良いけどさ?
俺はこんなことが言いたかったわけじゃないんだ!
そーゆー意味の好きじゃないんだ!
ただ、仲のいい友達ってゆーか、ライバルってゆーか
そんな渡辺に泣いてほしくなかっただけで
友達に泣いてほしくないから→友達だから→好きだから的な云々
すると渡辺は小さな声で言った

「ごめん・・・今はそーゆーのじゃないと思う」

そらそーだわ

44: 2017/08/24(木)16:20:52 ID:b1v
こうして俺の慰め的告白はあっけなく撃沈した
なんだかんだ4人(てか2人)は仲直りした
俺は渡辺と仲良いような気まずいようなそんな感じになった
渡辺は吉川と別れなかった
俺は渡辺が泣いてるところにつけ込んで吉川から渡辺を奪おうとした最低な男として4人の中で語られ続けた
そんなこんなで俺はあっさり小学校を卒業して、中学に入った

45: 2017/08/24(木)16:26:27 ID:b1v
中学に入った俺は所謂中学デビューを果たした
髪はワックスで上げ、シャツを出して、ズボンは腰下まで下げてチェーンを付けた
中学は3つの小学校から集まってくるため、新クラスは知らない奴ばかりだった
俺らの小学校は人数が少なかったので明らかにアウェイだった

中学に上がって妹と一緒に登校しなくなった
妹は始めの頃は寂しいと言っていたが、俺がこんな恰好をするようになってからは恥ずかしいと言っていた

46: 2017/08/24(木)16:29:12 ID:b1v
俺は早速友達を増やしにかかった
けれどやはりどこもかしこも小学校の頃からの仲良しグループで固まっていた
ちなみに松原と吉川は隣のクラス、山本がその隣のクラスだ
山本は持ち前の面白さで今頃フィーバータイムだろうなぁとか考えながら俺は階段を上がった

これが失敗だった

47: 2017/08/24(木)16:32:01 ID:b1v
何気なく上がった階段の先は2階だった
当然だ
俺ら1年のクラスは1階である
・・・ん?
じゃあ2階は――

「おいお前何しとんねん」

血の気が引いた

48: 2017/08/24(木)16:40:42 ID:b1v
うちの中学は普通の公立中学である
普通の公立中学とは、上下関係が絶対である
下級生が調子に乗っているのを上級生が見た場合、しっかりと教育をしなければいけないのだ
「お前1年やろ?なんやねんその格好」
関西弁の京介くんだった

京介くんは2年の不良グループのNo.2だ
なんでも隣の中学の3年生をボコボコににしたとか何とか
俺は精神的にちびった
「いや、あの・・・」
「ええカッコしとるやんけ、それで先輩に挨拶来るなんておっしゃれやのぉ?」
「すいませんでした!ぼーっとしてt「ぼーっとしてたとかええねん今何日や?」
「え?に、21日です」
「まだお前入学して二週間ちょいやろが、やめとけ」
「な、なにがですか?」
「その格好やめとけ、夏休み明けたら3年受験モードやからそれまで待っとけ」
「はぁ・・・」
「メアド交換しよか」

友達が出来た

49: 2017/08/24(木)16:45:11 ID:b1v
京介くんは良い人だった
後から聞くと後輩が入ってきてウキウキしてたとか何とか
2年の血の気が多い方々を抑えているのはいつも京介くんだった

俺は京介くんと仲良くなったってのもあってか、クラスでも友達が増えた
京介くんは1年生の、特に中学デビューしたような男子から慕われていた
決してヤンキーではない、中学デビューである
もちろん喧嘩はしない、ヘタレだから

50: 2017/08/24(木)16:51:21 ID:tw@cosayu_open
いいやつ

51: 2017/08/24(木)16:56:38 ID:b1v
体育祭が近づいてきた
俺はクラスのリレーのアンカーに選ばれた
隣のクラスでは吉川がアンカーだった
「イケメンには負けねぇよ笑」
「黙れバランティン笑」
俺のあだ名はバランティンだった
ワックスで上げた髪が弁当のバランみたいだからだ

山本は事ある事にうちのクラスに遊びに来ていた
勝手に入ってきてはふざけた話でクラスを沸かせていた
その日は「なぜ女子は下ネタが嫌いなのか」について熱く語っていた
結論は「下ネタが嫌いなんじゃなくて下ネタを言う男子が嫌い」とのこと
一理あると思ったが迷惑だった

俺は渡辺にどう思われているか気になっていた
下ネタやら女子やらを意識しだす年頃なのだ
こんな話をしていたら引かれるんじゃないだろうか
いやむしろ惹かれるかも?とか考えながら

中学になってからも俺と渡辺は気まずいままだった

52: 2017/08/24(木)16:58:26 ID:tw@cosayu_open
「下ネタが嫌いなんじゃなくて下ネタを言う男子が嫌い」
これ

53: 2017/08/24(木)17:06:03 ID:b1v
松原はというと、早速学級委員をやっていた
あいつは人からの信頼は人一倍ある
学年に一人はいるだろ?誰からも嫌われないような穏やかな性格のやつ
それでいて責任感が強い
だから吉川の影に隠れながらも女子からモテモテだった
ちくしょう俺だって、俺だって!

そして体育祭当日
上級生の盛り上がりが半端じゃない
俺たち4人は一緒に行動しながら、気迫に呑まれていた
京介くん達のグループが大声で応援してるのが見えた
普段ふざけたりサボったりしてるのからは想像出来ないくらい一生懸命だった
中学っていいなぁ、と思った

俺は4人と別れて同じクラスの友達のところに戻った
そのうちのひとりの武内が俺の耳元で言った

「京介くんに妹がいるらしいぜ、知ってる?」

54: 2017/08/24(木)17:13:51 ID:b1v
「え?まじで?」
「しかもよ、俺らと同じ1年らしい笑」
「うおおおまじかよ笑」
俺はなんだかすごく興奮したのを覚えている
なんてったって京介くんはイケメンなのだ
妹もかわいいに決まってる
「何組かわかんねぇの?」
「いやーそこまではさすがに、てか京介くんの苗字って?」
そういえば知らない

するともうひとりの友達である桜田が口を開いた
「でも顔見たらさすがにわかるんじゃね?」
「でも俺と俺の妹は似てねぇよ」
「でも雰囲気とかあるだろ」
「雰囲気も似てねぇ」
「アホさ加減とか」
「妹は賢い」
桜田は毒舌キャラだった

そんなこんなで昼食の時間になった

55: 2017/08/24(木)17:20:54 ID:b1v
俺は武内と桜田、あと桜田の彼女と一緒に弁当を食べた
くっそ、どいつもこいつも・・・
俺の弁当はおにぎり2個と二段弁当(両方おかず)だった
おにぎりは妹、おかずはお母さんが作ってくれた
「すげー美味そう」と武内が言った
「俺の自慢の母親だよ」
「このおにぎりは?やけにでけぇけど」
愛の量に比例するんだよ、と言いながら俺はおにぎりを頬張った
具が入ってなかった
「中身の無い愛だな」と桜田が言った

午後から桜田は彼女と行動するとのことだった
俺はリレーまでには戻ってくるように言って、武内と歩き出した

京介くんの妹を見つけ出すために

56: 2017/08/24(木)17:30:11 ID:b1v
俺らはまず京介くんのところに行った
「お、なんやどしてん?」
「京介くん、苗字ってありますか?」
「当たり前やろ、俺をなんや思てんねん笑」
そんなやり取りをしてると龍二くんがやってきた

龍二くんは2年のNo.1だ
京介くんより10cmも身長が高く、ガタイもある
総合格闘技をやってるらしく、髪は丸坊主
文句無しのエリートゴリラだ

「おーお前らリレー頑張れよ」
そう言うと龍二くんは持っていたアクエリを俺らにくれた
2リットルぐらいあるでかいやつ
「龍二くん、京介くんの苗字って?」と武内が聞いた

「あー・・・、お前らあれだな」
?あれって?
「京介の妹、気になるんだろ」
ギクッ

57: 2017/08/24(木)17:40:10 ID:b1v
「なんやそうなんけ?」と京介くん
「いや、まぁそうっす笑」と武内
「たしかに京介の妹はかわいいぜ」と龍二くん
「やっぱり!俺めっちゃ見てみたい笑」と俺
京介くんは照れてる
うん、イケメンが照れてるとあれだな
襲いたくなるよな
殺されるけど

「ってか松川お前〇〇小学校だろ?」と龍二くん
「そうなんすけど、俺6年の時に転校してきたんです」と俺

すると龍二くんは「あーだからか」と言った

どういう事だろう

しばらくして京介くんが「まぁ俺の苗字なんかどーでもええやん、けっ!」と言って走り出した
次は2年生の男子リレーのようだ

俺と武内は2年生に交じって応援した

58: 2017/08/24(木)17:49:37 ID:b1v
リレーが始まると今まで以上の声援が飛び交った
京介くんは第2走者だった
第1走者からバトンを受け取った京介くんは加速した
3位だったのが一気に1位になった
俺と武内は「すげー!はえー!」などといかにも中1らしい語彙力で叫んだ

すると龍二くんが歩いてトラックの中に入った
次は龍二くんの番だ
足元を見るとなんと裸足である
1位で帰ってきた京介くんからバトンを受け取り、龍二くんは裸足のまま走った
信じられないぐらい速かった

差がどんどん広がっていき、龍二くんは2週目に入った
いやいや、アンカー放ったらかしですやん
俺らはひとしきり笑って、自分たちの場所に戻った

クラスの方に戻ると桜田の彼女と渡辺が話していた

59: 2017/08/24(木)17:57:31 ID:b1v
「さっきの美生ちゃんのお兄ちゃん!?すっごい速かったね!」と桜田の彼女(以下佐々木)が言っているのが聞こえた
俺と武内は耳を疑った
京介くんの妹は渡辺だったのだ

「うええまじかよ!」と武内が言った
俺はさっきまでの興奮とはまた違ったドキドキを感じていた
そんな俺の横で武内は「てことは京介くんって渡辺京介なのかぁ、なんかかっけぇな」などと言っていた

俺と渡辺は中学に上がってからほとんど会話していない
気まずいというのももちろんあるが、それよりも異性として意識しているというのが大きかった

桜田がやってきて「そろそろだそ」と言った
俺らはトラックの方へ向かった

60: 2017/08/24(木)18:05:23 ID:b1v
正直俺はリレーどころじゃなかった
京介くんは俺と会う前から俺のことを知っていたのだろうか
だから初めて会った時に仲良くしてくれたのだろうか

俺が渡辺に告白してふられたことも知っていたのだろうか

いやいや!あれは告白じゃない
ちょっとした言い間違いのようなものだ
でもそれが原因で渡辺とは今もまともに話せないでいる
さっきまで京介くんに妹がいるって聞いてテンション上がってただけに、なんか複雑な気分だった
けれど俺は走った(当たり前だ)

結果は2位に終わった
吉川のクラスが1位だった
吉川は俺に「いい勝負だった、心の友よ」的なことを言っていた

こいつの彼女が京介くんの妹・・・

世間って案外狭いもんだと子供ながらに思った

61: 2017/08/24(木)18:16:43 ID:b1v
クラスの方に戻った

桜田はさっそく佐々木とイチャイチャしだした
はいはいうらやまうらやま

武内はさっそく渡辺に話しかけた
「渡辺って京介くんの妹なんだってな!俺知らなかったよ!」
ちょ、お前いきなりかよ笑
渡辺は「えーいきなりどしたの笑」と言った後「そーだよー」と言った
確信に変わった瞬間だった

俺は次に武内が言うことを容易に想像することができた
「俺と付き合ってください!」
やっぱりな
こいつは俺と仲良くなってから今までで4回告白して玉砕している
その全てが一目惚れだった
惚れやすいなんてレベルじゃなかった
こないだなんてショッピングモールのソファに座ってた女の子達の1人に告白していた
その女の子は「家族と一緒に来てるので」と言って女の子達とその場を立ち去った
嘘であることは明らかだった

俺は意を決して言った
「こいつ彼氏いるぞ」
その瞬間、渡辺はこっちを見た
目が合った
逸らした

62: 2017/08/24(木)18:21:43 ID:b1v
この会話に入るということはすなわち渡辺とコミュニケーションを取るということだ
俺は慌てて付け足した
「ほ、ほらさっき1位だったアンカーいるだろ?あいつだよ」
武内は
「うああまじかよ!お前先言えよなー笑」
と言った

が、次に渡辺の口から出た言葉は
「私吉川とはもう別れたんだー」
だった

俺はドキッとした

64: 2017/08/24(木)18:25:54 ID:o2S
面白い

67: 2017/08/24(木)19:07:27 ID:b1v
えっ?吉川と別れた?それってどういう――
俺が考えるよりも先に渡辺は次の言葉を発していた
「でもごめんなさい。私好きな人がいるの」
武内は
「いやいや謝らないでよ!俺も京介くんの妹って聞いてテンション上がった勢いで言っただけだから笑」
とすかさず返していた
それから武内と渡辺はたわいもない話に花を咲かせた

俺は考えていた
渡辺と吉川が別れた、そして渡辺には好きな人がいる
何故か冷や汗が出てきた

68: 2017/08/24(木)19:14:10 ID:b1v
体育祭の数日前に話したときも、ついさっきのリレーの後にも、吉川はそんなこと一言も言わなかった
別れた後に漂うような、悲壮感?のようなものも感じられなかった
なによりあの時、夜に2人で話した後、渡辺と吉川は結局別れなかったはずだ
俺の知らないところで2人の間に何かあったのだろうか?
俺は信じられなかった

もしかして渡辺は嘘をついているんじゃないか?
俺はふとそう思った

69: 2017/08/24(木)19:19:52 ID:b1v
俺はやはり渡辺が好きだった
だから心のどこかで、超絶イケメンの吉川だから仕方ないと思って自分の気持ちに嘘をついていたのかもしれない
俺は事実を確かめないわけにはいかなかった

気が付くと俺は渡辺に尋ねていた
「それ、マジの話?」
すると渡辺は少し微笑みながら言った
「マジの話だよ笑
ってかリレー速かった!さっすが!」
俺は「おう、ありがと」とだけ言って吉川のところへ向かった

70: 2017/08/24(木)19:28:08 ID:b1v
吉川は自分のクラスのところで松原と話していた
何やら楽しそうだ
「どうしたんだ?」と俺
「いや、あれ見てみろよ笑」と松原が指差す
見てみると誰かが野球部が使う紐がついたタイヤを腰に3つぐらい付けて走っていた
山本だった
「あいつなにしてんの笑」と吉川
「さあ笑」と松原
すると山本が俺達に気付いたらしく、こっちに向かって走ってきた
俺らは「おいおい!来るな!」と叫んだが、山本はグラウンドの椅子をタイヤでなぎ倒しながら俺達に抱きついてきた
その場はグチャグチャ
周りがざわざわしながらこっちを見る中、俺達だけが笑っていた
こんなしょーもないことで笑い合うのが、俺達はたまらなく好きだったんだ

71: 2017/08/24(木)19:41:31 ID:b1v
俺は吉川に尋ねた
「なぁ」
「うん?」
「渡辺と別れたってマジ?」
吉川の顔色が変わった
少し驚いたような、それでいて不思議がるような
「誰から聞いた?」
「いや、聞くつもりはなかったんだけど、渡辺から」
吉川はため息を一つついてから言った
「・・・このあいだふられたんだ」
山本が少し反応した

73: 2017/08/24(木)20:28:28 ID:b1v
すいません夕飯食べてました

俺はまだ信じられなかった
別れたというのは事実だとわかったが、渡辺が吉川をふったというのが考えられなかった
けれど今ここで吉川にこれ以上聞くのも悪いと思い、俺は
「そっか。ごめんな急に」
と言ってその場を離れた
吉川も
「ああ、言い出せなくて心配かけてごめんな」
と言ってくれた

クラスの方に戻ると桜田がいた
「あれ、武内は?」
「渡辺さんとジュース買いに行ったよ」
武内・・・お前すげぇよ

74: 2017/08/24(木)20:35:39 ID:b1v
「なんか渡辺さんと武内急に仲良くなったけど、何かあったの?」
と桜田が不思議そうに聞いてきた
「あぁ、渡辺って京介くんの妹なんだってさ。そしたら武内のやつ急に「付き合ってください」って笑」
「まじかよ笑
やっぱアイツどっかネジ飛んでるよな笑」
「しかもふられたんだぜ?なのによく2人きりで一緒に行動できるよな笑」
そう、本当に不思議だ
俺はふられたのをずっと引きずったまま今日まで話せずにいたというのに

「へー、武内ふられたんだ?なんで?」
桜田がまたも不思議そうに聞いてきた
「いやなんか、他に好きな人がいるって」
そう俺が言った時、武内と渡辺と京介くんが帰ってきた

75: 2017/08/24(木)20:42:54 ID:b1v
「おーお前ら2人もさっきよー頑張ってたな笑
ほら、これやるわ」
そう言って京介くんはパピコをくれた
俺と桜田は半分こして食べた
「それにしても、なんで京介くんは関西弁なの?」と桜田
「俺前まで関西に住んでてん」と京介くん
「じゃあ美生ちゃんも家では関西弁?」と武内
美生ちゃんって・・・お前すげぇよ

「私は関西行ったことないんだー」

ワケありっぽかった

俺はパピコ食べてからトイレに行った
ちなみに今は競技が全て終了して自由な時間だ
うちの体育祭はちゃんとした閉会式がなく、ムードそのままにそれぞれが自由に解散していく感じだった

トイレから出ると山本がいた

76: 2017/08/24(木)20:50:32 ID:b1v
山本は
「よぉ、今日どうする?お前攻める?笑」
などと訳のわからないことを言ってきた
よかった、いつも通りだ

「下ネタ話す男子は嫌われるんじゃなかったのかよ笑」
「よく考えたらさ、女子をネタにしなけりゃいいんじゃね?」
「なるほどな」
「ところで、さっきの話なんだけどよ」
と、山本が話を振ってきた
俺は少し身構えて返事をした

「おう、なんだよ」
「どうしてだと思う?」
「知りたいのかよ?」
「知ってんのかよ?」
「知ってるって言ったら?」
「望み通り攻めさせてやるから、教えろ」

山本は本気だった

77: 2017/08/24(木)21:00:24 ID:b1v
「わりぃ、知らない」
俺は正直に答えた
「そっか」
山本は少し残念そうに言った

俺と山本はグラウンドまでゆっくり歩いた
ふたりきりで話すのは久しぶりのように思えた
なんだか小6の頃に戻ったような、そんな懐かしさを感じていた

「俺さ、今日まで渡辺と話せなかったんだ」と俺
「お前まだ気まずかったのかよ笑」
山本は笑いながら俺の肩をこづいた
「でもさ、今日久しぶりに話したってのに、渡辺はケロッとしててよ」
「あーわかる、俺もそうだったわ」
「リレー速かった!って、ぜんっぜんふつーに言ってきてよ笑」
すると山本が言った

「俺やっぱ渡辺好きだわ」

「ああ、俺も」

こうして俺らの体育祭は終わった

79: 2017/08/24(木)21:14:32 ID:b1v
体育祭が終わるとすぐに夏休みだった
終業式の後、俺は武内と桜田とクラス一のコワモテである月島と4人でファミレスに行った
基本的な夏休みの予定を立てようとのことだった
しかし話を進めていくと、どうも桜田と佐々木のラブラブデートがところどころにあるため、なかなか4人揃っての予定が立てれなかった
「お前少しは休めよ!なんだこの「3日連続映画館デート」って!」と武内
「仕方ねーだろ、それでも我慢した方なんだぜ?」と桜田
「どーでもいいけどこれじゃ海いけなくね?15日過ぎたらクラゲ出るじゃん」と俺
月島はチーズINハンバーグのダブルをライス無しで食ってた
昼間からすげぇな

「そういえば松川、松原とかあの辺との予定はねーの?」と武内
「家近いからいつでも会えるしなー」と俺
「お前抜きでディズニーとか行ってるかもよ」
そういいながら桜田は予定の中の「二泊三日ディズニーデート」を見せびらかしてきた
全くこの男、ことごとく非リアを嘲笑ってくれる
うらやましいかぎりです

月島はチキンステーキとライスのセットを頼んでいた
まだ食うんかい・・・

81: 2017/08/24(木)21:25:12 ID:b1v
しばらくして女子二人組が店に入って来た
よく見ると松原の彼女である高橋と、ここにいる憎き桜田の彼女である佐々木だった
どうやら部活帰りらしい
高橋と佐々木はバレーボール部だ

向こうもがこっちに気付いたので、俺らは隣のテーブルに来るように手招きした
そして色んな話で盛り上がった後、高橋が携帯を見ながら言った
「美生呼んでいい?」
俺と武内は二つ返事でOKした

しばらくして渡辺が来た
渡辺は部活をやっておらず、その代わりバドミントンのクラブチームに所属していた
男子である俺達4人はもちろん帰宅部だった

82: 2017/08/24(木)21:29:57 ID:b1v
この場に桜田と佐々木が揃ってるので、俺らの都合が良いように予定を変えてもらおうとした
すると高橋が
「えーなになに楽しそう!私達も海行きたい!」
と言い出した
「おいおい、松原はいいのかよ?」と俺
「大丈夫だよ、松川いるし」と高橋
武内も渡辺が来るかもしれないとなって俄然やる気が出たようだった
「うおーし、じゃあこの7人で海行くぞ!」

8月のお盆休みに差し掛かる少し前、俺達は一泊二日で海に行くことになった

84: 2017/08/24(木)21:35:23 ID:b1v
それからというもの、俺は遊びまくった
渡辺と海に行ける!
俺は毎日がフィーバーだった
松原に高橋と海に行くことを話したら
「松川いるなら安心だわ、楽しんでこいよ笑」
と言ってくれた

俺はこの沸き上がる元気を毎日の活動に全力で注ぎ込み、当日に熱が出た
まさにフィーバーだった

85: 2017/08/24(木)21:39:57 ID:b1v
結局海には俺を除いた6人で行くことになった
桜田と武内は電話の向こうで爆笑していた
悔しさと恥ずかしさと、様々な感情が入り混じった俺は同じように笑うしかなかった
月島から「飯ちゃんと食えよ」とメールがきた
俺もチーズINハンバーグ食ってたら良かったのかな・・・

渡辺から来たメールには「どんまい(絵文字)」とだけ書かれていた

泣いたよ

86: 2017/08/24(木)21:44:54 ID:b1v
俺は山本に
「俺今38度あるんだけど、ウチくる?」
とメールを送った
山本は5分で来た
さすが俺が認めた戦友、マスクも何もしてなかった
こいつの賢いのに馬鹿なところが人を引きつけるんだろうなぁと思う

しばらくしてから吉川も来た
山本が連絡していたらしい
吉川はマスクを付けて部屋に入るなり、林檎を切り出した
イケメンが林檎切るのは反則だろ・・・惚れた

87: 2017/08/24(木)21:54:30 ID:b1v
俺達は3人で色々な話をした
体育祭の話、夏祭りの話、今度のテストの話、小学校の時の話、そして渡辺の話
「あのさ、なんでふられた?」と山本
「他に好きなやつが出来たって」と吉川
俺はてっきり吉川と別れてから新たに好きな人が出来たのだとばかり思っていた
「うわーまじかよ、そいつ吉川よりイケメンなのかな?」と俺
「そんなやついたら俺みたいなフツメンはどーしたらいんだよ笑」と山本
「顔はかんけーねーよ笑」と吉川
お前が言っても説得力ねーよ

「しょーみさ、まだ好き?」
「・・・いや、さすがにふられたのに好きとか女々し過ぎるだろ笑」
グサッ×2
「で、でも俺はまだ好きだぜ!」と山本
「うおまじか笑
えっ、まさか松川も?」と吉川
「なわけねーだろ笑」と俺
すぐに嘘だとバレた

88: 2017/08/24(木)22:00:49 ID:b1v
「今から電話でどっちか告ろうぜ笑」
吉川が突然言い出した
俺と山本「は?」
「いやいや、今頃海にいるんだろ?」
「まぁ、多分な」
「海を見ながら耳元で愛を囁かれたら、たまんねぇぜ?笑」
俺は想像した
・・・たまらんっ!
「いやでもそれ夕方想像してんだろ?」と山本
今は真昼間だ
「そんなのかんけーねーよ、あっもう押しちゃったぞ笑」
吉川の携帯電話はコールしていた
こいつの決断からの行動の早さはなんなの?イケメンだからなのか?

89: 2017/08/24(木)22:10:37 ID:b1v
10コールを過ぎたぐらいで渡辺がでた
「もしもし?俺、吉川だけど」
「ちょっと今松川の部屋にいるんだけど」
「なんか渡辺に会いたいーって言いながらうなされてる笑」
「おう、じゃあ代わるわ笑」
俺は電話に出た
「もしもし?」
「もしもしー、熱どう?」
「だいぶマシ、そっちはどう?」
「なんか武内くんが埋まってる笑」
「そのまま埋めといて」
「りょーかい」
「じゃーな」
「はーい」
俺は電話を切った
正真正銘のヘタレだった

90: 2017/08/24(木)22:14:26 ID:b1v
告白せずに電話を切ると、山本はホッとしたようだった
「お前やっぱ度胸無いな笑」
「変なこと言って楽しいの邪魔したら悪いだろ?」
いかにもな言い訳だった

その後もなんだかんだ盛り上がり、結局俺と山本が同時に告白メールを送るということになった
文面は2人とも吉川が考えた全く同じものだった
夜6時頃、俺と山本は同時に送信ボタンを押した

91: 2017/08/24(木)22:19:29 ID:b1v
しかし中々返信は来なかった
「今頃風呂に入ってるのかもな」と吉川
「いやー、どきどきするなこれ」と山本
俺は正直こうやって仲間うちのノリで告白できたことがうれしかった
たとえ玉砕しても、その時のショックは仲間がいることで何倍にも薄まるような気がした

俺は渡辺の新しい好きな人がもしかしたら俺なんじゃないかとも考えていた
それを確かめるためにも、こうやってジャブを打つ必要があった

夜7時を回った頃、返信が来た
俺の携帯ではなく、山本の携帯に

92: 2017/08/24(木)22:24:28 ID:b1v
山本へのメールはこんな感じだった
「告白ありがとう(絵文字)
メール見てとても嬉しかった
でも内容が松川のメールと全く同じなのはどうして?笑
――――」


そしてメールの最後には一言
「宜しくお願いします」
と書かれていた

93: 2017/08/24(木)22:28:12 ID:b1v
俺はまたも散った
身体がぎゅーっと熱くなった
熱の熱さと相まって意識が朦朧としてきた
正直その後の会話は覚えていない

気が付いたら次の日の朝だった
俺はベッドで横になっていた
リビングに行くとお母さんが
「昨日吉川くんと山本くんが帰り際にごめんって伝えてくれって言ってたけど、何かあったの?」
と言った
俺は渡辺からごめんと言われたような気がして、泣いた

94: 2017/08/24(木)22:32:04 ID:b1v
携帯を見ると返信は無かった
完全に終わったと思った
俺はそのまま夏休みのほとんどを家で過ごし、新学期を迎えた

俺は山本と吉川と疎遠になった
吉川はまさかこんな結果になるとは思ってなかったと言った
俺は吉川も山本も悪くないよ、俺の方こそごめんなと言った

それから俺は渡辺と話すことも無く、普通に学校生活を送り、2年生になった

95: 2017/08/24(木)23:31:37 ID:zbo
つらあ…

96: 2017/08/25(金)09:56:57 ID:0tk
あきらめるな〜

97: 2017/08/25(金)10:26:30 ID:q7F
あと1回か

99: 2017/08/25(金)17:37:16 ID:ktr
すいません学校行ってました
帰ってきたので書きます

2年生の新クラスでは、俺と武内と桜田はそれぞれ別のクラスになった
俺は松原と同じクラスになった
松原は山本と吉川の二人と俺が疎遠になったことに気付いていて、俺といるときは吉川と山本に関係する話題には触れてこなかった
本当に優しいやつだった
その優しさに俺は感謝していた
そして同時に俺は苦しかった
俺が引っ越してきたとき、初めて出来た友達は松原だった
俺にとって松原は親友だ
松原も同じように思ってくれていると思う
その親友にこうやって気を遣わせてしまっている自分が情けなかった

100: 2017/08/25(金)17:45:17 ID:ktr
俺と松原はいつも一緒だった
新しいクラスはすぐに打ち解け、気が付けばどのクラスよりも仲の良いクラスとなっていた
俺は学校生活の大半をクラスの友達と過ごしていた
武内と桜田とは放課後に公園やらファミレスやらで遊んでいた
吉川と山本と会わない日々は、皮肉にもとても充実した毎日だった

101: 2017/08/25(金)17:58:56 ID:ktr
松原は1年の秋から生徒会に入っていた
だからクラスや学年を仕切るのはいつも松原だ
俺は松原と一緒に家に帰っていたので、生徒会の活動があるときは図書室で時間を潰した

うちの中学の図書室はとても充実していた
1度ゴリゴリのヤンキーが図書委員長になったことがあるらしく、その時にそのゴリゴリのヤンキーが
「うちの図書室は〇〇中にも△△中にも負けねぇ!」
みたいなことを言ってありとあらゆる図書を入庫した
今でもゴリゴリのヤンキーが入庫した本は他の本とは別の本棚に陳列されている
その本棚は「グッドラック」と呼ばれている

ある日俺はいつものように生徒会が終わるのを待つために図書室に入った
俺はすぐにグッドラックに向かい、川上未映子さんの「ヘヴン」を手に取った

102: 2017/08/25(金)18:07:22 ID:ktr
川上未映子さんの「ヘヴン」は俺が今でも大好きな小説の一つだ

その時俺は14歳で、主人公の「僕」も14歳だった
「僕」の生きている世界は「僕」に対してとても残酷で、その中で「僕」はまるで物のようにじっと堪えて日々を過ごしていた
そんな「僕」はある一人の女の子と出会う
「僕」のことを仲間だと言うその女の子との出会いは、「僕」の生きている世界に少しずつ彩りを、生を与えていく――

物語を動かし、変化させるのはいつだって出会いだった
俺にはこの小説の「僕」の気持ちを理解することが出来ない
「僕」も俺みたいなやつに理解されたらたまったもんじゃないだろう
それでも俺は全く違う世界に生きる「僕」と自分を重ねていた

そして俺の物語も動き出した

103: 2017/08/25(金)18:11:39 ID:ktr
俺にはいつも座る席があった
窓際の、その中でも一番グッドラックから離れた席だ
俺は「ヘヴン」を片手にその席に向かった

俺の特等席には一人の女の子が座っていた
その女の子は「砂の女」をテーブルの上に置いて、別の小説を読んでいた
俺は仕方なくその向かいの席に座った

104: 2017/08/25(金)18:17:36 ID:ktr
「何を読んでいるんですか?」と俺はその女の子に尋ねた
その女の子は少し怪訝そうな顔をして答えた
「阿修羅ガールです、舞城王太郎さんの」
俺は固まった
顔がめちゃくちゃかわいかった
もろタイプだった
そんな女の子が「阿修羅ガール」を読んでいる
俺はとても興奮した
しかしそれを悟られてはいけない
俺は冷静を装って言った
「ああ、三島由紀夫賞とったやつですよね」
「そうです」
「そこの「砂の女」はもう読んだんですか?」
「いえ、まだです」
明らかに面倒くさそうだった

105: 2017/08/25(金)18:26:57 ID:ktr
けれど俺は中学2年生だ
こんなかわいい子を逃すわけにはいかない
仲良くなって、あわよくばメアドをGETしたいと思った
俺は会話を続けた
「あの、何年ですか?」
「はい?」
「いや、学年」
「あっ、1年生です」
後輩だった
後輩にこんな顔の整った子がいるなんて知らなかった

入学式の日、俺と武内と桜田は新入生をリサーチするために校門前でビラ配りをした
ビラといっても、桜田が「入学おめでとう」と習字で書いた紙を印刷したものだ
空いたスペースには武内と俺の下手くそな桜の絵が書かれていた
新入生達は、制服姿の俺達に少しびびったり緊張したりしながらもビラを受け取ってくれた
ビラを配るのは俺と桜田
武内はその横で新入生の顔をチェックしていた
イケメンかかわいい子がいると、武内は席払いをした
それを聞いた俺と桜田は、ビラを渡すときにその新入生に名前を聞いた
だから顔と名前はしっかりおさえている筈だったのだ

106: 2017/08/25(金)18:45:00 ID:vzz
学校お疲れ
夏休み終わるの結構早いんだね






1001: 以下おすすめ記事をお送りします
 2008/2/21 23:2:22 ID:news4wide
new_26c42637
雨宮天ちゃんのカモシカのように美しい脚wwwwww

【うわぁ…】ガチでヤバいヒカル信者現るwwwww(※画像あり)

【凄すぎw】「イッテQ」やっぱり“化け物コンテンツ”だったwwwwwwww

【twitterで話題】屋内駐車場に止めたアウディ、雨漏りのせいで、一台だけ滝行になっている長谷川京子「ハセキョーブームは嬉しくもありすごく怖かった」←これwwwwwwwww

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ある日メールもデートの誘いもいつも俺からしていることに気づいた。なので試しに彼女から連絡くるのを待ってみた結果wwwwww

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【経済】ゲーム専用機「復権」、「スイッチ」の品薄続く


ワイ正統派バーテンダー、バイト先がブラック過ぎて死ねるwwwwwwww

【闇深】今井メロの“号泣生配信”がマジでヤバイんやが・・・(※画像あり)


【驚愕】現在の監獄学園wwwこれマジ!?




引用元:http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1503549186/